8月12日付「産経抄」は
今回の事件に対して
非常に頓珍漢なことを書いています
オーストラリア人の事件を
「代理出産ビジネスをめぐる倫理上の問題点」と書きますが
これは、代理出産ではなく
その夫婦の、或いは代理母の
倫理上の問題点であって
代理出産そのものを批判するのは
お門違いです
また、重田光時氏が代理出産で9人以上の赤ちゃんを
密かに養っていた問題も
個人の資質の問題であって
代理出産を利用したに過ぎません
淀川氏の感情は理解できますが
淀川氏は、少なくとも
望まれて生まれたわけです
病気があるから捨てられた訳でも
遺産相続のために利用された訳でもありません
この、赤ちゃんたちを
淀川長治氏の生涯と
オーバーラップさせるのは
非常に恣意的で短絡的で
舌鋒鋭くニュースをまとめる
「産経抄」らしくない内容で
非常に不愉快な感じがしました
以下、産經新聞からの引用です
タイ代理出産騒動 8月12日
2014.8.12 03:06 [産経抄]
映画解説者の淀川長治さんは、生涯独身だった。その理由の一つは、出生の事情にあったようだ。淀川さんは、神戸市にある料理屋の跡取り息子として生まれた。といっても、淀川さんの父親と最初の妻との間には、子供がない。
▼妻の妹の娘、つまりめいが家に入り、できた子供が淀川さんである。淀川さんは、血筋をつなぐために32歳も年上の男と結婚した実母が、かわいそうでならなかった。それゆえ、子供の頃から決めていたという。「一生跡取りをつくってやるまい」(『わが映画人生に悔なし』)。
▼近年の生殖補助医療の進歩は、不妊に悩む夫婦に別の解決法を示してきた。基本的に夫婦の精子・卵子と第三者の子宮を用いて行う「代理出産」もその一つだ。ただ、法整備について国内で議論が続くなか、タイからトラブルの報告が相次いでいる。
▼タイ人女性に代理出産を依頼したオーストラリア人夫婦が、ダウン症の男児の引き取りを拒否したというのだ。夫婦は反論しているが、言い分はいま一つはっきりしない。いずれにせよ、代理出産ビジネスをめぐる倫理上の問題点が、浮き彫りになった形だ。
▼バンコクのマンションで保護された9人の乳幼児は、24歳の日本人男性が代理出産で産ませたとみられる。すでに出国している男性は、相当な資産家との報道もあった。その目的は何か、今のところ謎に包まれている。
▼何より、幼い子供たちのこれからの長い人生が気に掛かる。物心ついて出生の事情を知らされたとき、彼らは“両親”の決断に納得するだろうか。淀川さんは、母親が85歳で亡くなるまで、孝養を尽くした。「わが人生に母と映画があればこそ」との言葉を残した淀川さんは、幸せな子供だったといえる。
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