【重要】代理出産を事実上禁止しようとしている自民党PTに、抗議のメールを送りましょう!
自民党のプロジェクトチームが国会に提出しようとしている生殖補助医療法案は、条件付き代理出産を認めるとは言いながら、その条件というのは、子宮がないこと(子宮があって不妊という人が殆どです)、金銭の授受を認めないこと(ボランティアで代理母になる人を見つけることは不可能に近いです)で、事実上代理出産を禁止するものです。この法律は不妊に悩む人々の最後の望みを断ち切る天下の悪法になります。メディアでは、いわゆる「子供の出自を知る権利」ばかりが報じられていますが、それに誤摩化されてはいけません。現在のような内容での新法案を撤回するように、皆さんの声を結集しましょう。不妊に悩む人々の気持ちを無視した生殖補助医療法など、全く意味がないものです。手遅れになる前に、当事者である皆さん自身が意見表明をしてください。
ここをクリックすると、自民党にあなたの意見を送るページに繋がります。

※インドの情報についてのご注意

▶インド政府は2015年10月28日、外国人がインド人女性を代理母とした代理出産を利用することを禁じる方針を明らかにしました。これで「代理出産のメッカ」であったインドでの外国人向け代理出産は幕を閉じることになります。
Baby for All ではこれまで、合法的に代理出産が行える国として、インドの代理出産もこのブログでご紹介してきました。そのため、過去記事の中に、一部インドの過去の情報が残っていることがあります。ご注意ください。
また、会員専用ページの内容も、インドの情報が記載されていますので併せてご注意ください。

2014年5月20日火曜日

日本経済新聞の社説を読む(6)

5月1日付『日本経済新聞』の社説に
「法案を機に生殖医療の幅広い議論を」という題で
生殖医療法案についての意見が掲載されました
その内容について
専門家としての立場から
Baby for Allが解説を加えたいと思います
一昨日の続きです
引用部分は青字です

 夫婦や親子のあり方をめぐり国民の間には様々な意見がある。
 私たちは研究目的の卵子提供や出生前診断などを含め、生殖医療に関わる包括的な基本ルールが必要だと主張してきた。
 今回の法案を議論のスタート地点と考え、多様な意見を集約し、多くの人が納得できる社会的な規範に立脚した制度づくりへの一歩とすべきだ。

様々な意見があるという認識や
基本ルールが必要だということは
たぶん、全国民に一致した意見だと思います

しかし、赤ちゃんがほしい人の意見や権利について
今まで殆ど議論されてこなかったことは
いったいどういうことなのでしょうか?

ワガママの一言で
子供がほしいという気持ちを片付けていいのでしょうか?

多くの人が納得できる制度というのは
こういう場合難しいでしょう
多数派は代理出産や高度不妊治療に反対だということは
どう考えても明らかだからです



当たりさわりのない日経の社説ですが
この問題の焦点がどこにあるかは
これを読めばある程度わかったのではないかと思います

このあと、各社で社説で論じられていましたが
結論をかけるはずもなく
当たりさわりのないものになっています

現在可能な技術で夢叶えることの是非は
実際に不妊に悩む人の意見をもとに
判断されるべきだとBaby for Allは考えます

弱者について何かを決める際に
その弱者の意見を尊重しなければならないのは
現代の不文律でしょう
にも拘らず、不妊に悩む人々が
意見も聞いてもらえずに
強者の決めたルールに従えと言われるのは
納得がいきません
(完)

2014年5月18日日曜日

日本経済新聞の社説を読む(5)

5月1日付『日本経済新聞』の社説に
「法案を機に生殖医療の幅広い議論を」という題で
生殖医療法案についての意見が掲載されました
その内容について
専門家としての立場から
Baby for Allが解説を加えたいと思います
一昨日の続きです
引用部分は青字です

 日本産科婦人科学会は代理出産を禁止し第三者からの卵子提供にも慎重な姿勢だが、学会のガイドラインは強制力を持たない。厚労省の部会は2003年に法整備を求めたが、この10年間具体化しないまま、生殖補助医療を利用する夫婦が増え、子も生まれている。
 「制度なき実態先行」を放置してはおけない。しかしこの法案を短兵急に生殖補助医療の「推進法」にするのも望ましくない。

そもそも、日本産科婦人科学会が
そこまでの権威を持っていると
勝手に考えていることが問題です
「ガイドラインは強制力を持たない」という日経の批判に
日本産科婦人科学会は
真摯に耳を傾けるべきです

問題は、法整備を先延ばしにした
国と国会議員にあります
「制度なき実態先行」も問題ですが
それよりも、その「実態」が非合法の代理出産を
含んでいることが問題だったのです

Baby for All では、現行の法律を守って
代理出産のお手伝いをしてきました
生まれた赤ちゃんは全て
日本のパスポートを持って
日本に帰国しています
日本で代理出産をしている
根津医師が逮捕されていないのも
法律違反をしている訳ではないからです
つまり、今の法律でも
代理出産は非合法ではないということです
それを規制する法律を作ろうとしている訳です

しかし、日経が言う
生殖補助医療の「推進法」にするのは望ましくないというのは
どういう意味でしょうか?

この部分は
日経のアリバイ作りのような気がします
そもそも、生殖補助医療は
推進するようなものではありません
誰も、体外受精などしたくないし
ましてや代理出産などしたくありません

そんなつまらない言い訳はいらないです
新しい法律で
赤ちゃんがほしい人の権利を守るようにしろと
はっきり言ってほしかったです

(つづく)

2014年5月17日土曜日

日本経済新聞の社説を読む(4)

5月1日付『日本経済新聞』の社説に
「法案を機に生殖医療の幅広い議論を」という題で
生殖医療法案についての意見が掲載されました
その内容について
専門家としての立場から
Baby for Allが解説を加えたいと思います
一昨日の続きです
引用部分は青字です

 生殖補助医療を利用して子を持ちたいという夫婦の選択の道は閉ざすべきではない。しかし子どもの利益や母体の安全への配慮などから一定の規制は必要だ。
 女性の体を出産の道具に利用する代理出産に抵抗感を持つ人は多いだろう。また子が遺伝上の親を知りたいと思うのは自然だが、匿名を条件に提供した側の事情にも配慮が要る。

ようやく日経の見解です
「道を閉ざすな、でも規制は必要」
それは正論ですが
その規制が問題なのです

女性の身体を出産の道具に利用する?

ものはいいようですが
それでは、子孫を残すために
夫は妻の身体を利用していると思いますか?

ある、代理母になったインドの女性は
「私たちが子供を産むことで
不妊に悩む女性が救われるのですから
とてもうれしいです」と答えました

もちろん、そう思う人ばかりでないことはわかっています
金のために自分を犠牲にしているという人もいるでしょう
しかし、その金で
家族が、子供が
生活を向上させられるのです
その決意と犠牲を
誰が非難できますか?
遊ぶ金欲しさに身体を売ることと
一緒にするのは代理母に対する冒涜です

抵抗感を持つ人がいるのは当然です
これは個人の問題であり
不妊に悩む人の中でも
意見が割れることです
多数決をとれば
圧倒的に反対が多くなるでしょう
しかし、それでも代理出産「解禁」を考えたのは
どうしてだったのか?
その原点を思い出してほしいのです

根津医師が言うように
厳しくすれば海外で違法に代理出産にチャレンジする夫婦が
減ることはないでしょう
それをこの新法が助長してもよいのか
そういう観点がどうしてないのでしょう

後半部分の、いわゆる子供の知る権利についての日経の見解は
全く真っ当なものです
前回詳しく書いたので
Baby for Allもそれと同じ考えであることだけ
表明しておきます

(つづく)

2014年5月15日木曜日

日本で代理出産を手がけている根津医師のインタビュー

諏訪マタニティークリニック院長の根津八紘医師が
共同通信のインタビューに答えました
ますその全文をみていただきましょう
引用個所は青字です


代理出産相談350、実施21組 根津医師、禁止論に懸念
 国内で唯一、代理出産の実施を公表している諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)院長の根津八紘医師が14日までに共同通信のインタビューに応じ、子宮がない女性や家族から寄せられた代理出産に関する相談が約350件に上ることを明らかにした。これまで21組に代理出産を試み、子ども16人が誕生したが、現在は新たな実施を自粛しているという。
 自民党は代理出産を認める法案と、禁止する法案の両案を順次国会に提出するとしている。根津医師は「法律で禁止されれば、患者は切り捨てられる。海外でお金を払って代理出産を依頼するケースが増えるだけだ」と懸念を表明した。
2014/05/14 18:06   【共同通信】


諏訪マタニティークリニックでは
16人の赤ちゃんが誕生したということですが
Baby for All で生まれた25人を加えて
明らかに合法的に代理出産で生まれた赤ちゃんだけでも
30人を超えています
これに、アメリカなどで戸籍飛ばしをして
代理出産を隠したケースを含めると
優に100人は超える赤ちゃんが
代理出産で誕生しています

根津医師の「法律で禁止されれば、患者は切り捨てられる。海外でお金を払って代理出産を依頼するケースが増えるだけだ」
という懸念はまっとうなものです

根津医師のガイドラインでは
依頼者は子宮がない人
代理母はボランティアに限られているので
Baby for Allとは見解を大きく異にしますが
患者の切り捨て
海外でのケース(非合法を含め)の増加
というのは
すでに私たちがブログで警告している通りです

私たちは、このビジネスをなくしても
他のビジネスを立ち上げることができます
全面的に非合法になれば
そのように考えざるを得ないでしょう
根津医師も、代理出産を手がけることを諦めれば
治療を続けることは可能です

しかし、不妊治療に行き詰まっている方は
こんな愚かな法律ができれば
夢を打ち砕かれてしまうことになります

国会は、根津医師や
患者の声を聞くべきです
必要であれば業者に実態を取材することも必要です
現実を無視した法律ができないように
国会議員の皆さんには
この問題を真剣に考えてもらいたいです

自民党PT案は
代理出産YesかNoかということではありません
代理出産容認案の方も
事実上代理出産禁止だということを理解し
患者の気持ちを踏みにじるようなことのないように
しっかり議論してほしいものです



2014年5月14日水曜日

日本経済新聞の社説を読む(3)

5月1日付『日本経済新聞』の社説に
「法案を機に生殖医療の幅広い議論を」という題で
生殖医療法案についての意見が掲載されました
その内容について
専門家としての立場から
Baby for Allが解説を加えたいと思います
一昨日の続きです
引用部分は青字です

 自民党内での議論では、代理出産の是非と、子が出自を知る権利を担保する情報開示制度をつくるかどうかで、意見が割れた。この二点については修正案を秋の臨時国会に提出する方向という。


この部分も日経の見解ではなく
客観的な報道です

自民党内の議論が
代理出産の是非と
子供が出自を知る権利という
非常に表面的なことだけであったことは
非常に情けない話です
何度も言うように
不妊に悩んでいる当事者のことなど
何も尊重されていないからです

繰り返しになりますが
海外で代理出産をしており
それが最後の手段である患者さんがいる以上
認めるのは当然の流れであって
その方法論が議論されるべきでした

また、子供が出自を知る権利も
その是非で論じても
意見は割れるだけであるのは目に見えています
知りたい側の権利だけが認められるのは
片手落ちであり
提供者のことを考えない愚論に過ぎません

繰り返し書いているように
自民党PTが密室で何もかも決めようとすることが
そもそも間違いなのです

国民的議論は結構ですが
それよりも何よりも
どうして、不妊に悩む人の意見や
実際に代理出産を手がけている
根津医師のような人の意見を参考にできないのか
理解に苦しみます

(つづく)

2014年5月12日月曜日

日本経済新聞の社説を読む(2)


5月1日付『日本経済新聞』の社説に
「法案を機に生殖医療の幅広い議論を」という題で
生殖医療法案についての意見が掲載されました
その内容について
専門家としての立場から
Baby for Allが解説を加えたいと思います
昨日の続きです
引用部分は青字です

 法案は夫婦以外の第三者の精子や卵子を用いた人工授精や体外受精などを、「特別生殖補助医療」として法的な裏付けを与える。
 また夫婦の受精卵で第三者の女性に出産してもらう代理出産について、妻が手術で子宮を摘出していた場合などに限って認める。
 こうした医療は厚生労働相が基準に基づき認定した病院などで実施する。精子などの提供や代理出産は無償とする。精子提供などは匿名でできるが、提供者の情報は国の指定機関で管理し開示の必要が生じた時に備えるという。

この部分は日経の見解ではなく
内容をまとめたものです

すでに、他紙の報道をもとに
批判を加えてきましたが
自民党が密室でこの法案を考え
具体的な内容が
全く国民に知らされていないので
法案の内容をもういちど
これをもとに考えてみましょう

(1)夫婦以外の第三者の精子や卵子を用いた人工授精や体外受精などを、「特別生殖補助医療」として法的な裏付けを与える。

これは必要なことだと思います
特に民法がこういうことを想定していなかったので
これらの治療の位置づけをする必要があります

(2)夫婦の受精卵で第三者の女性に出産してもらう代理出産について、妻が手術で子宮を摘出していた場合などに限って認める。

代理出産を限定的に認めるというのは
この部分なのですが
これは言葉を変えると
ごく一部を除いて、代理出産は禁止するということです

生まれつき子宮がない場合や
手術で子宮を摘出していない不妊患者の方が圧倒的に多く
その人たちの最後の望みの綱を
法律で切ってしまうということです

晩婚化がすすみ
不妊治療を開始する年齢も高齢化しています
35歳になると卵子の老化が急速に進むことは
すでにご存知の通りです
アメリカでは43歳になったら
不妊治療医は代理出産や卵子提供などを勧め
治療はしないのが普通です

しかも原因が分からない不妊も多いのです
そういった現実を無視して
バッサリ切ってしまうやり方を
Baby for All は、不妊に悩む人のことを
何も考えていないと批判しているのです


(3)こうした医療は厚生労働相が基準に基づき認定した病院などで実施する。

これは必要なことで
今まで決めていなかったことがおかしいぐらいです
勿論インドでも
インド医療評議会による同じような法規制があります
なぜなら代理出産や卵子提供は
法律違反でなかったからです

(3)精子などの提供や代理出産は無償とする。

精子や卵子の提供が無償というのは
兄弟姉妹が提供してくれるケースもあるでしょうから
あながち厳しすぎるといもいえませんが
誰が代理出産を無償でするでしょうか
奇特な姉妹のいない人はどうするのでしょう
代理母をボランティアに限定するなら
事実上代理出産は
誰であってもできなくなります
それなのに代理出産部分容認と報じる新聞記者は
本当にちゃんとこの法案を読んだのかと
疑いたくなります
正直に、事実上の代理出産禁止だと
国民に教える義務がマスコミにはあります

また、代理出産を厳格にすることで
海外での違法代理出産が
今以上に横行することになるでしょう
その対策のことなど
何も考えられていないのが
この法案です

(4)精子提供などは匿名でできるが、提供者の情報は国の指定機関で管理し開示の必要が生じた時に備えるという。

これも大きな問題があります
生まれた子供の知る権利といいますが
精子や卵子の提供者は
最後まで匿名であることを条件に
提供することが多いという事実を
完全に無視しています
ボランティアに限定し
いつか、自分の子供が訪ねて来るかもしれない
ということが提供希望者に
マイナスの反応を与えるのは間違いありません

提供者が減れば
実施も難しくなります

現実を見ていない法案だと断ぜざるを得ません
(明日につづく)



2014年5月11日日曜日

朗報ラッシュ! 代理母の妊娠がまた確認されました!!

今回は凍結受精卵を移送したカップルです
例によって、プライバシー保護の観点から
具体的な日を明らかにすることはできませんが
来年の今頃にはもう日本に帰国して
お父さん、お母さんと
幸せな生活を送っているはずです
胎児の健やかな成長を祈りたいです

昨年来、受精卵を移送する方が増えています
成功率が低いと言われている凍結受精卵ですが
今回は1回の挑戦で妊娠が確認されました
お母さんの年齢が若く
卵子が健康だったことが大きいと思います

自民党PTの愚かな法案が通る前に
決断できた方は夢を実現しています
今年の後半から来年に欠けて
パテル先生のクリニックでは
日本人の誕生が相次ぎますが
その頃、代理出産を事実上禁止する法律が
できるかも知れません

チャンスは誰にでも平等にあります
チャンスを生かす為には
あなたが決断しなければなりません

あなたが決断できたら
Baby for Allはいつでもお手伝いする準備があります
お気軽にお問い合わせください



2014年5月10日土曜日

日本経済新聞の社説を読む(1)

5月1日付『日本経済新聞』の社説に
「法案を機に生殖医療の幅広い議論を」という題で
生殖医療法案についての意見が掲載されました
その内容について
専門家としての立場から
Baby for Allが解説を加えたいと思います
引用部分は青字です

 自民党のプロジェクトチームが生殖補助医療に関する法案をまとめ今国会に提出する。夫婦以外の第三者からの精子や卵子の提供による不妊治療や代理出産を、条件付きで認める内容だ。法案には課題が多いが、これを機に幅広い議論を促し、より望ましい制度づくりにつなげるべきだ。

これは最初の部分なので
細かい指摘をしても仕方がないのですが
「条件付きで認める」ということが
事実上その道を閉ざすことになると
日経の論説委員さえも
気がついていないように思われます
この点について
指摘しているのはBaby for Allだけではないでしょうか
気づいていないとすれば
メディアは全部
余りにも愚かすぎます

法案に課題が多いこと
議論が尽くされていないことは
指摘の通りだと思います

より望ましい制度とは何なのか?
果たして日経は
不妊に悩む人の立場で論じてくれたのか?

明日以降
読み解いていきましょう

2014年5月4日日曜日

「Q&A 生殖医療法案」にさらに答える(4)

昨日の続きです

ニュースサイトの「47ニュース」に
共同通信の配信記事として
「Q&A 生殖医療法案」という記事が
アップされています
リンクはこちらです

このA、すなわち解説に対して
Baby for Allが代理出産の専門家として
さらに解説を加えたいと思います

記事のリードは以下の通りです

【Q&A 生殖医療法案】代理出産容認に異論も 夫婦間の治療は対象外
代理出産を限定的に認めるなど、生殖補助医療に関する法案を自民党のプロジェクトチームがまとめました。

では、引き続き
ひとつひとつ見ていきましょう
青字部分が引用部分です
 Q 法案の課題は。
 A 自民党内でも代理出産に反対する人がいて、代理出産を禁止する法案もさらに検討するとしています。そもそも、誰が代理母になるか、安全性をどう確保するか、具体的に定めていません。出自を知る権利も引き続き検討するとしています。提供された精子で生まれた当事者たちのグループは、大人になって突然事実を知り、心が不安定になった経験から、出自を知る権利は不可欠だとしています。

 Baby for All のA:代理出産を禁止する法案も検討するということですが、そもそも、「代理出産部分容認案」自体が、代理出産を事実上できないようにするものなので、仮に禁止する法案が成立したとしても、殆ど実態は変わりません。
 唯一の違いは、海外での代理出産への道まで閉ざすかどうかということなのですが、それとて、禁止してもしなくても、違法ルートでの代理出産は絶対に続けられるでしょう。
 代理出産を認める法律を作るというのは、そういった海外での違法代理出産をできなくするという観点が必要なはずです。しかし、いずれの法案にもそれは意識されません。また、子宮がない人にだけ代理出産を認めるということになれば、極端な話、海外で子宮摘出手術を受けたあとで、代理出産契約をするというようなケースも考えられます。また、現在のタイのように、代理母夫妻の子供を養子にすれば、全く証拠は残りません。抜け道だらけの法案が、今、国民の議論なしで法律になるかも知れないのです。
 誰が代理母になるのかというのは、非常に重要な問題です。自民党PTでは無償のボランティアを想定しているようですが、そうなると事実上、代理出産はできないということになります。その点について、誰も突っ込んだ議論をしないのが信じられません。
 安全性の確保とは笑わせます。普通に妊娠・出産するのでも、危険性はあるのです。代理出産だけの安全性などあり得ません。理想論はやめてもらいたいです。
 出自を知る権利はあるでしょう。しかし、匿名を条件に精子や卵子を提供するのが常識だろ言うことを無視してはいけません。それをどのようにコントロールするかというのは提供時の条件によるのであって、権利があるから開示しろというのは、提供者の権利を踏みにじるものです。

 Q 今後どうなるの。
 A 法案をまとめたチームは、今回の法案を今国会に、代理出産を禁止する法案も秋の臨時国会に、それぞれ提出するとしています。法案は非公開の場でまとめられたので、さまざまな立場の人が参加する幅広い議論が必要です。

 Baby for All のA:要するにこの法案は、時期尚早だということです。何も具体的に話し合われていないのに意味のない内容を決めて法律に使用という馬鹿げた行為です。たぶん、PTが発足した時には、もっとちゃんとした内容にするつもりだったのでしょうが、いわゆる抵抗勢力がそれをぶちこわしたのでしょう。
それならば、無理に今国会に提案するような愚かな行為はしてもらいたくありません。少なくとも、不妊治療を受けている人や、実際に代理出産で子供を得た人などの意見を反映させた上で、マトモな法案を提出してもらいたいものです。
(おわり)

2014年5月3日土曜日

「Q&A 生殖医療法案」にさらに答える(3)

昨日の続きです

ニュースサイトの「47ニュース」に
共同通信の配信記事として
「Q&A 生殖医療法案」という記事が
アップされています
リンクはこちらです

このA、すなわち解説に対して
Baby for Allが代理出産の専門家として
さらに解説を加えたいと思います

記事のリードは以下の通りです

【Q&A 生殖医療法案】代理出産容認に異論も 夫婦間の治療は対象外
代理出産を限定的に認めるなど、生殖補助医療に関する法案を自民党のプロジェクトチームがまとめました。

では、引き続き
ひとつひとつ見ていきましょう
青字部分が引用部分です
 Q 法案ではどう定めたの。
 A 国が認定する医療機関であれば、第三者から精子または卵子の提供を受けて妊娠、出産ができるとしました。代理出産を依頼できるのは、妻に生まれつき子宮がない場合や、がんなどで子宮を摘出した場合に限るとしました。親子関係では、産んだ人が母という現状のルールは維持し、生まれた子に障害が見つかったりしても、依頼した夫が「自分の子ではない」とは言えないことにしました。

 Baby for All のA:自民党PTの「代理出産部分容認」案の解説です。これまでBaby for All
で何度もお知らせしてきた内容で、このブログの読者には、決して目新しい内容ではありません。
 国が認定する医療機関にするというのは、インドでも行われていることであり、不法行為が行われないようにするためには重要なことですが、その認定を誰がするのかということが問題です。この法案をPTが検討している最中にも、日本産科婦人科学会は代理出産への反対を表明しています。そんな連中が、認定医を決めるようなことがあれば、仮に代理出産が認められたとしても、方向性は変わらないでしょう。
 代理出産が、子宮のない人に限るというのも、実態を知らない人間が決めた内容だということを物語っています。世の中には、原因不明の不妊があることは常識です。子宮があるから認めないというのは、あまりにも限定的であり、幸福を追求する権利を、片方には認めた、もう片方には認めないという、憲法違反の恐れもあります。
 産んだ人が母になるという民法の基本原則を踏襲するのが、障害児が産まれた場合の対策だというのは馬鹿げています。これは、契約関係ではっきりできることであり、子供の遺伝上の母が戸籍上も母になれるようにすることが望ましいことです。仮に、現行民法の定めがそうなっていても、それは時代遅れです。家裁がDNA鑑定を行って、戸籍上の親子関係を認定できるような仕組みが必要です。
 以上のように、自民党PTの「代理出産部分容認」案でさえ、代理出産を禁止し、赤ちゃんを自分の腕に抱きたいという、不妊に悩む人々の気持ちを踏みにじるものになることが明らかなのです。
(つづく)

2014年5月2日金曜日

「Q&A 生殖医療法案」にさらに答える(2)

昨日の続きです

ニュースサイトの「47ニュース」に
共同通信の配信記事として
「Q&A 生殖医療法案」という記事が
アップされています
リンクはこちらです

このA、すなわち解説に対して
Baby for Allが代理出産の専門家として
さらに解説を加えたいと思います

記事のリードは以下の通りです

【Q&A 生殖医療法案】代理出産容認に異論も 夫婦間の治療は対象外
代理出産を限定的に認めるなど、生殖補助医療に関する法案を自民党のプロジェクトチームがまとめました。

では、引き続き
ひとつひとつ見ていきましょう
青字部分が引用部分です
 Q 何が問題なの。
 A 卵子の提供では採卵に伴う苦痛や危険が無視できません。代理出産は、女性を生殖の手段として扱うとの根本的な批判がある上、妊娠や出産に伴う危険性を長期にわたって他人に負わせることになります。卵子提供や代理出産では、遺伝上の親と産んだ親が異なることになりますが、民法はこういう事態を想定しておらず、出生届が受け付けられないなど、親子関係をめぐって訴訟になった例もあります。匿名で精子や卵子の提供を受けた場合、生まれた子供が遺伝上の親が誰かを切実に知りたくなっても、知る仕組みがありませんでした。

 Baby for All のA:ここでは3つの点が指摘されていますが、それぞれについて、専門家の立場から論じてみましょう。。
(1) 採卵に伴う苦痛や危険、代理出産では妊娠や出産に伴う危険性
これは馬鹿げた議論です。採卵や妊娠・出産に危険性が伴うことは当たり前の話で、出産が危険だから妊娠するなというバカがどこにいるでしょうか。しかもそれは、奴隷にさせる訳ではなく、契約に基づくものです。これは、日本国憲法が認めている、幸福追及の権利を、契約する双方が認めた上で契約していることです。
(2) 卵子提供や代理出産を民法が想定していない
これは民法そのもの問題であり、卵子提供や代理出産の問題ではありません。出生届が受け付けられないのは、民法の規定に逆らうからであり、戸籍の記載内容は、本当の意味で子供がほしいかどうかということと全く関係ありません。Baby for All では、民法の規定に従って赤ちゃんの戸籍を作っていただくことを皆さんにお願いしています。しかしこれは、すでにこのブログで論じたように、常識的な範囲で、民法を書き換えるか、特例法を制定留守ことが必要です。
(3) 子供の遺伝上の親を知る権利
これは、現行法でも、特別養子にする場合には、わかることになっています。詳しくはBaby for All のサイトの「代理出産のABC」(登録会員専用ページ)をごらん下さい。しかし多くの場合、精子や卵子の提供者は、匿名を条件に提供している事実を無視することはできません。また、代理母にしても、アメリカとインドでは、出産後のつきあい方がまったく違ってきます。この問題は、依頼者が判断することであって、その規制を全てに強要することは間違いです。
(つづく)

2014年5月1日木曜日

「Q&A 生殖医療法案」にさらに答える(1)

ニュースサイトの「47ニュース」に
共同通信の配信記事として
「Q&A 生殖医療法案」という記事が
アップされています
リンクはこちらです

このA、すなわち解説に対して
Baby for Allが代理出産の専門家として
さらに解説を加えたいと思います

記事のリードは以下の通りです

【Q&A 生殖医療法案】代理出産容認に異論も 夫婦間の治療は対象外
代理出産を限定的に認めるなど、生殖補助医療に関する法案を自民党のプロジェクトチームがまとめました。

では、ひとつひとつ見ていきましょう
青字部分が引用部分です
 Q 規制の対象は。
 A 妻以外の女性に受精卵を移植して産んでもらう代理出産や、夫婦以外から精子や卵子の提供を受けて行う体外受精など、第三者が介在するタイプの不妊治療です。夫婦が自らの精子と卵子を使って行う体外受精は対象ではありません。

 Baby for All のA:これは、当初の自民党PTで議論されていた、全ての不妊治療を対象にするという馬鹿げた案がなくなったことを意味しており、最悪の事態、つまり、厚生労働省や日本産科婦人科学会の独裁支配は避けられたということを意味しています

 Q これまではどうだったの。
 A 法による規制はなく、事実が先行しています。第三者の精子を使った人工授精は主に医学部の学生からの提供で1940年代から行われ、これまでに1万人以上が生まれたとされています。卵子の提供は、国内でも姉妹間であるようですが、近年は海外に渡って提供を受け、年間300~400人が誕生しているとの推計があります。代理出産は、日本産科婦人科学会が禁じていますが、長野県の民間クリニックは実母や姉妹を代理母として代理出産を実施したことを明らかにしています。
 Baby for All のA:「事実が先行している」という指摘は重要です。しかし、代理出産という医療行為を日本産科婦人科学会が禁じているということ自体に、問題意識を持つ必要があるのに、その指摘はありません。どうして、彼らが法律で禁じられていないことを一団体に禁じる権限があるのか、理解に苦しみます。また、ここでは諏訪マタニティクリニックの例だけを挙げていますが、国外でのほうが盛んに代理出産が行われている「事実」をどうして指摘しないのでしょうか。アメリカではたぶん15年以上前から、民法の隙をついた「戸籍飛ばし」を使って違法に代理出産で生まれた子供が日本国籍を得ています。業者がその法律違反を堂々と宣伝していたのです。こういう事実は重要です。インドでも悪質な業者(今は、すべて撤退しました)が、同様のことを行っていました。一方、。Baby for All を通じて、合法的な手続きを経て、すでに20人以上の赤ちゃんが日本に帰国しています。自民党PT案が法律にならなければ、逆に、合法的な代理出産をインドで続けることが可能になるのです。
(つづく)