今日からは、反対派の吉村教授の意見を見ていきましょう。
産經新聞:代理出産についてどう考えるか
吉村氏:「賛成できない。なぜなら妊娠出産には大きなリスクがある。日本は周産期医療が世界で最も優れた国だが、それでも出産で年間約50人が亡くなっている。出産による死亡はほとんどが予期せぬもので、健康な女性でも突然亡くなることがある。そのリスクを他人に負わせていいのか。実際に海外では代理母が亡くなったこともあった。卵子提供など他の生殖技術に比べリスクがあまりにも大きすぎる」
Baby for Allの解説:これは詭弁だと思います。出産で人が亡くなるから出産するなということでしょうか? 新しい命に出会えるのが、命がけであることなどみんなわかっていることです。命に関わることだから、他人に負わせるなというなら、何も人にまかせられないことになります。もちろん、代理母が命をかけることに対して、それに見合う報酬を与えること(だから、商業化以外の道はあり得ないということです)、万一の場合に備えた契約を結び、妊娠中は手厚い保護を与えること、などが必要になるのです。誰も好き好んで代理出産など依頼しません。それでも赤ちゃんがほしい人はどうすればよいのか。あきらめとろ言い放てばいいということなのか。この、冷徹な吉村氏の分析には、やはりその視点が欠如しているのです。