【重要】代理出産を事実上禁止しようとしている自民党PTに、抗議のメールを送りましょう!
自民党のプロジェクトチームが国会に提出しようとしている生殖補助医療法案は、条件付き代理出産を認めるとは言いながら、その条件というのは、子宮がないこと(子宮があって不妊という人が殆どです)、金銭の授受を認めないこと(ボランティアで代理母になる人を見つけることは不可能に近いです)で、事実上代理出産を禁止するものです。この法律は不妊に悩む人々の最後の望みを断ち切る天下の悪法になります。メディアでは、いわゆる「子供の出自を知る権利」ばかりが報じられていますが、それに誤摩化されてはいけません。現在のような内容での新法案を撤回するように、皆さんの声を結集しましょう。不妊に悩む人々の気持ちを無視した生殖補助医療法など、全く意味がないものです。手遅れになる前に、当事者である皆さん自身が意見表明をしてください。
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※インドの情報についてのご注意

▶インド政府は2015年10月28日、外国人がインド人女性を代理母とした代理出産を利用することを禁じる方針を明らかにしました。これで「代理出産のメッカ」であったインドでの外国人向け代理出産は幕を閉じることになります。
Baby for All ではこれまで、合法的に代理出産が行える国として、インドの代理出産もこのブログでご紹介してきました。そのため、過去記事の中に、一部インドの過去の情報が残っていることがあります。ご注意ください。
また、会員専用ページの内容も、インドの情報が記載されていますので併せてご注意ください。

2018年9月30日日曜日

代理出産可否の議論よりも先に必要なこと

毎日新聞が以前
「クローズアップ2014」という特集で
「不妊治療、法制化へ 賛否割れる代理出産 『出自』巡り、慎重論噴出」という
特集記事をリリースしました

内容は他のメディアに比べると
よくまとまっていると思いますが
不妊に悩む夫婦の視点はここでもぼかされ
特に代わり映えのしないものです

ただ、この記事の末尾に
重要な指摘があります
以下、記事を引用します

現行の民法は、第三者からの卵子・精子提供や代理出産を想定しておらず、国会には生まれた子との親子関係を規定する民法特例法案も一緒に提出される予定。生殖補助医療法案の審議が難航すれば、民法特例法案の成立も遅れる可能性がある。久慈直昭・東京医科大教授(産科婦人科学)は「一番の問題は、生まれた子との親子関係が法的に不安定になっていることだ。民法特例法案だけは早急に成立させる必要がある」と指摘する。

何度も繰り返しますが
現行法でも代理出産は違法ではありません
今回の法律がどちらにころんでも
代理出産が法的に認められるようになるのと引き換えに
やりにくくなるのは火を見るより明らかなのです

それゆえにBaby for All
自民党プロジェクトチームの案には反対しますが
久慈教授が言うように
時代遅れの民法を現状にマッチさせることは
早急に必要なことだと認識しています

遺伝子的に親子関係にあるのに
戸籍上は非嫡出子とするという
現行の民法を改正することが
本当は必要ですが
特例法でも構わないので
正常化させることは喫緊の課題です

以下、「毎日新聞」からの引用です

クローズアップ2014:不妊治療、法制化へ 賛否割れる代理出産 『出自』巡り、慎重論噴出
毎日新聞 2014年04月30日 東京朝刊

 自民党のプロジェクトチーム(PT、座長・古川俊治参院議員)が第三者からの精子・卵子提供による不妊治療や代理出産を条件付きで認める法案をまとめ、国内初の不妊治療の法制化が現実味を帯びてきた。だが、PT内でも代理出産などへの賛否が分かれ、生命を扱う法案作りの難しさが浮かんだ。不妊治療の当事者からは、生まれる子や提供者の権利保護を求める声が上がる。【下桐実雅子、須田桃子】

 「代理出産で障害児が生まれ、依頼した夫婦が引き取らなかったらどうするのか」「海外では出自を知る権利が認められている」

 今月15日に非公開で行われた自民党PT会合。カップルの受精卵で第三者の女性に出産してもらう代理出産や、第三者の精子・卵子提供で生まれた子が遺伝上の親の情報を得る「出自を知る権利」を巡って意見や疑問が相次ぎ、予定していた法案とりまとめは持ち越しになった。

 仕切り直しとなった24日、代理出産は限定容認▽精子・卵子提供は認めるが受精卵提供は認めない▽出自を知る情報開示制度は引き続き検討−−など、第三者がかかわる不妊治療を一定条件で認める「特定生殖補助医療法案」を今国会へ議員立法で提出する方針が了承された。ただし、この法案とは別に、PTで意見が分かれた論点について「代理出産は全面禁止」「出自を知る権利を担保する」という二つの修正案を秋の臨時国会へ提出する段取りも決まり、「両論併記」となった。

 一本化できなかったのは、考え方の違いが大きい。24日の会合後、ある議員は「一つの選択肢として代理母を限定的に認めてもいいのではないか」と話した。一方、別の議員は「医学が進歩しているとはいえ、どこまで進めていいか」と迷いを見せた。

 日本では第三者がかかわる不妊治療について、日本産科婦人科学会の精子提供による人工授精(AID)に関する指針があるだけで公的ルールはなく、現実が先行してきた。その結果、親子関係が複雑になり、訴訟に発展するケースも出てきた。また、妊娠・出産を第三者に負担させる代理出産には「女性の体を道具として扱うことになる」、出自を知る権利を認めないことは「生まれた子が、自分は何者かという疑問を持ち続けることになる」など批判が根強い。

 ◇自民PT案曲折も

 昨秋発足したPTは、第三者がかかわる不妊治療を広く容認することを目指し、出自を知る権利は「認めると提供者が減る」などの理由から原則匿名による提供とする方向で検討してきた。古川座長らの「多くの人が海外で治療を受けている状況を解決しなければ」との考えからだった。ところが、終盤になって慎重論が噴出する事態となった。

 古川座長は「複数案が出た臓器移植法のように、党議拘束をかけずに採決する」と述べ、賛否については議員個人の判断に任せる方針を明らかにした。しかし、国会審議も曲折が予想される。公明党関係者は「自民党案の問題点は把握しており、論点を整理している段階」と話し、無条件で自民党PT案を認めるわけではないことを示唆する。

 不妊治療に詳しい柘植あづみ・明治学院大教授(医療人類学)は「論点はいずれも大事だが、PTの議論は非公開で行われた。法案に至る議論が十分尽くされたかが分からないままでの法制化は問題だ」と指摘する。

 ◇卵子提供に危険性、ルール作り必須

 どの法案が成立しても卵子提供は認められることになる。日比野由利・金沢大助教(社会学)らの2012年の調査によると、産婦人科医の約16%が卵子提供を受けて妊娠した女性の出産を扱った経験があり、大学病院の産婦人科医に限ると約6割に上る。治療を受けるため海外へ渡る人は少なくないとみられている。

 米国での卵子提供で子どもを授かった東日本の50代男性は「臓器移植のように海外で提供を受けるのは本来おかしい。国内でできるようにすべきだ」と卵子提供に関する法制化を歓迎する。ただし、提供者には採卵による副作用などの危険性がある。病気で卵子のない女性のため、ボランティアからの卵子提供の仲介を始めたNPO「卵子提供登録支援団体(OD−NET)」の岸本佐智子理事長は「提供者への医療保障が必要。そのようなルール作りの議論はこれからだ」と強調する。

 一方、AIDで生まれた子は1万人以上になるが、現状では提供者は匿名のため、精子提供者を探し続ける子もいる。生まれた子らの自助グループ「DOG」の一人、東京都の会社員、石塚幸子さん(34)は「生まれた子は提供者が分からず苦しみ続ける。私も事実を知って以来、親との関係は悪くなったままだ。出自を知る権利の保障なしに、この技術を認めるのは反対だ」と訴える。

 代理出産には多くの専門家も慎重だ。金沢大の調査で、賛成する産婦人科医は7・4%にとどまり、59・1%が反対だった。日比野助教は「生まれてくる子の幸せを第一に考えることが必要であり、国会ではその視点からの議論が求められる」と話す。

 現行の民法は、第三者からの卵子・精子提供や代理出産を想定しておらず、国会には生まれた子との親子関係を規定する民法特例法案も一緒に提出される予定。生殖補助医療法案の審議が難航すれば、民法特例法案の成立も遅れる可能性がある。久慈直昭・東京医科大教授(産科婦人科学)は「一番の問題は、生まれた子との親子関係が法的に不安定になっていることだ。民法特例法案だけは早急に成立させる必要がある」と指摘する。